ハンドメイド作品をネットで販売していると、よく聞くのが「手数料って高くない?」という声。
せっかく売れたのに、思ったよりも手元に残らなくてモヤモヤ…そんな経験、ありませんか?
「これって儲かってるの?」「赤字じゃ意味ないよね…」そんなふうに感じている方もきっと多いと思います。
でも、ちょっとした考え方の工夫や、価格設定の見直しで、その悩みはグッと軽くなります。
この記事では、
- なぜ手数料が高く感じるのか
- 赤字にならないためにできること
- それでも前向きにやっていくための考え方
を、実体験をもとにお話ししていきます。
「手数料に振り回されるのはもう疲れた…」そんなあなたのヒントになればうれしいです。
ハンドメイド販売、手数料って実際どうなの?
ハンドメイド作品が「売れるようになった!」と喜んだのも束の間…。
いざ明細を見てみると「えっ、こんなに引かれるの?」と驚いた経験、ありませんか?
特に初心者さんは、手数料についてあまり意識せずに出品しがち。
でもこの“見えないコスト”が、利益に大きく影響するんです。
ここでは代表的な販売サイトの手数料や、その裏にある意外な盲点をチェックしていきます。
BASEやminne…意外と重い“販売手数料”
ハンドメイド作品の販売といえば、BASEやminneなどのプラットフォームが定番。
でも、それぞれ販売手数料+決済手数料がかかるのが一般的です。
例:BASEの場合(スタンダードプラン)
- 販売手数料:3%
- 決済手数料:3.6% + 40円
- 合計で約6.6%以上
例:minneの場合
-
販売手数料:10.56%(税込)
売れた金額からここまで差し引かれるとなると、1000円の商品でも手元に残るのは意外と少ない…。
知らずに始めて「こんなに引かれるなんて!」と驚く人も多いです。
売れたのに手元に残らない現実
仮に2,000円で商品が売れたとします。
- 手数料で10%引かれると → 1800円
- さらに送料が200円かかると → 1600円
- 材料費に800円かけていたら → 利益800円
そこから梱包材や時間、人件費を考えると…「実質、儲かってるのか?」というレベルに。
「売れた!」=「儲かった!」とは限らないのが、ハンドメイド販売のリアルです。
サービスによってここまで違う!主要プラットフォーム比較
サービス名 | 販売手数料 | 決済手数料 | 合計コストの目安 |
---|---|---|---|
BASE | 3% | 3.6% + 40円 | 約6.6%〜 |
minne | 10.56% | 込み | 約10.56% |
Creema | 11% | 込み | 約11% |
STORES | 5% | 5% | 合計10%(フリープラン) |
同じ「売る」という行為でも、どこで売るかで利益率は全然違ってきます。
ただ、ここでお伝えしているBASEやminnneなどの多くのプラットフォームは、ショップを運営するだけなら1円もかからず、売れた場合のみ売り上げの中から手数料が引かれるシステムです。
自分でお店を作る場合は、賃貸など諸々の契約料など、出店前から様々な費用がかかります。
それに比べると、BASEやminnneなどの販売サイトは、ほぼノーリスクで始められますよね。

「利益が出ない…」と感じるのはなぜ?
手数料が高いと感じるのは、単にコストがかかっているから…だけではありません。
価格設定と原価のバランスが取れていないことも、大きな原因のひとつです。
材料費や送料を差し引いたらマイナス?
「送料込み1,800円」で売れた商品。
だけど…
- 材料費:700円
- 梱包資材:100円
- 送料:250円
- 手数料:約180円
- 利益:570円
実際にはここに製作時間もかかっているので、「時給換算したら…赤字?」なんてことも。
売上=利益ではないという落とし穴
これは副業でも本業でもよくある話ですが、「売上」と「利益」はまったくの別物です。
そもそも、利益というのは、販売価格からそれにかかる費用を差し引いた額です。
手数料だけに注目しても、そもそもの価格設定が低すぎたり、原価率が高ければ利益は出ません。
「手数料のせいで儲からない」と思ったときは、
- 原価に対して価格は適切か
- 無駄なコストがかかっていないか
- 本当にその価格で“自分の時間”が報われているか
一度見直してみると、冷静に判断できることが多いです。
適正価格で売るために知っておきたいこと
適正価格を決めるのって、実はけっこうむずかしいですよね。
でも材料費や手数料、送料などのコストをちゃんと把握して、自分に合った価格のルールを作れば、無理なく利益を出せるようになります。
ここでは、僕の経験も交えつつ、価格設定のコツや心がけをわかりやすくお伝えしていきますね。
材料費・手数料・送料…コストをどう乗せるか
ハンドメイドの販売って、材料費だけじゃなくて手数料や送料もしっかり考えておかないと、思ったより利益が残らないことってよくあります。
僕も調理師として飲食店の利益計算を長くやってきましたが、ハンドメイドは飲食と違って材料を長く保存できる分、原価を抑えやすいんですよね。
これはかなり有利なポイント。
ただ、材料費はもちろん、BASEやminneなどの販売手数料、発送の送料までしっかり計算に入れて「これで利益が出るのか?」を確認するクセをつけましょう。
「安くないけど納得できる価格」を目指す
「安くないけど納得できる」価格って、買ってくれた人が「この値段でこれだけの価値がある」と思ってもらえる価格です。
実はこの「納得感」がリピーターやファンを増やすコツでもあります。
「とにかく安くしなきゃ売れない!」と焦る気持ちもわかるけど、そこはちょっと肩の力を抜いて、ちゃんと自分の作品の価値を伝えていきましょう。
自分だけの価格基準を持つことの重要性
世の中には似たような作品を売ってる人がたくさんいます。でも、他人の価格に振り回されて「自分も安くしなきゃ…」って焦ってしまうと、結局どんどん利益が減ってしまうだけ。
だから、自分なりの価格基準を持つことがとても大事です。
他人の価格に振り回されないために
他人が6000円で売ってるからといって、自分もすぐに同じ価格をつける必要はありません。それとは逆に他が安いからといって自分もと考えるのも良くないです。
なぜなら、ハンドメイドって「一点もの」だから。
同じジャンルの作品でも、それを作ったのは“自分”。そこにオリジナリティと手間と想いが込められているなら、買ってくれる人がいる限り安売りしてはいけないです。
なぜなら、その商品の外見と価格から価値を見出して購入してくれているからです。
自分の売りたい価格をちゃんと持って、「なぜその価格なのか?」を言葉で説明できれば、それが信頼や価値に変わっていきます。
「高い」と思われずに価値を伝えるには?
「高い」と思われるのは、価値が伝わっていないだけ。
そこで大事なのは、商品の良さやこだわり、他にはないポイントをしっかり伝えること。
僕の場合は、自分で作ったルアーを使って釣りに行く動画をSNSで発信する場合、「ハンドメイドルアーはこんなに楽しい!」って意識しています。
それと同時に、「作ることが大好き」ということも発信しています。
自分が好きでもないものを、他人に好きになってもらうことなんてできないと思っています。
利益を確保するための価格設定ルール
利益を出すためには、「材料費+手数料+送料+自分の労力」が全部カバーできる価格に設定するのは当然のこと。
ここで僕が飲食店で学んだのは、原価率(材料費の割合)を目安に売価を決めること。
飲食店は一般的に30~35%くらいが理想と言われますが、ハンドメイドは材料をまとめ買いして長期保管できるから、その分原価率はもう少し抑えられるはずです。
だからといって、原価率に合わせて無理に値下げするのは逆効果で、飲食店でも原価が安くても利益の取れる商品は20%以下で提供することもありますし、逆に原価率が45%を超える商品もあります。
要は、最終的に全体で利益が出るような商品の構成をしていけば良いんですよね。
けど、それって結局予測の範囲で販売価格を決めることになるので、正直言って結構難しいです。
ですから、最初は基本的な原価率の考え方でやってみて、人気商品の値上げや、人気のない商品については廃盤またはリニューアルなどを行ったり、ある一定の期間ごとに価格改定をするのがおすすめです。
それでも「高い」と感じない販売方法がある
「手数料が高い」と感じるのは、売上とのバランスが取れていないとき。
でも逆に言えば、「ちゃんと売れて、しっかり利益が残る」なら、手数料も“必要なコスト”として受け入れやすくなります。
ここでは、手数料を「無駄」と思わなくなるための考え方を紹介していきます。
適切な価格で売れれば、手数料は投資になる
売る側としては、できるだけ手数料は少ない方がいいですよね。
でも、たとえばminneやBASEでの手数料って「集客」「決済」「システム維持」にかかる費用でもあります。
それらを自力で全部やるとしたら、どれだけ手間とコストがかかるか…?
余談ですが、Wordpressでネットショップを作る場合、外注に依頼する際の相場は20~50万円です。
それを考えると、minneやBASEで「売れる環境に乗っかれる手数料」と捉えたほうが建設的です。
価格競争より「価値」で勝負する視点
手数料を気にしすぎて、販売価格を下げてしまうと、利益も自分のモチベーションも下がってしまいます。
それよりも大切なのは、作品にちゃんと“価値”を感じてもらうこと。
- 丁寧な作り
- オリジナルのデザイン
- 独自の世界観やストーリー
これらを伝えていけば、「ちょっと高くてもこれが欲しい」と思ってもらえる可能性は十分あります。
“売れた”の先に残るものこそ大事にしたい
ハンドメイド作品は、ただのモノではありません。
そこにあるのは、作り手の想いや時間、こだわり。
「安かったから買った」ではなく、「気に入ったから」「大切に使いたいと思ったから」選んでもらえた。
そんな出会いの方が、ずっと長く記憶に残りますし、次の販売にもつながっていきます。
筆者が考える“納得感ある販売”
僕自身、ルアーを1本2000〜3000円ほどで販売しています。
他のハンドメイドルアービルダーさんの中には、6000円以上で販売している方も多くいます。
良心価格でも自信作を届けるという選択
価格を高くすれば利益は出やすいですが、まずは**「使ってもらうこと」「知ってもらうこと」**が大事だと思っています。
だからこそ、自分のスタンスは「良心価格で勝負」。
その分、品質・釣果・個性には自信を持って届けています。
まずは知ってもらう、そのための価格設定
「売る」前に「知ってもらう」。
そのためには、多少利益を抑えた価格設定もアリだと思っています。
使ってもらって、気に入ってもらえたら、次に繋がるし、リピーターにもなる。
手数料を「高いからイヤだ」と考えるよりも、その先の展開を見越した価格戦略を考える方が、自分としては納得感があります。
まとめ|手数料は“敵”じゃなく“付き合い方”で変わる
ハンドメイド販売における手数料って、最初はどうしても「高いな…」と感じがちです。
でも、それだけでやる気を失ってしまうのは、ちょっともったいない。
大事なのは、「利益が残る仕組みを自分なりに作れるかどうか」です。
- ちゃんと利益計算をして
- 自分に合った販路を選んで
- 価格に見合う価値を届けていく
この3つを意識していけば、手数料も「高いからダメ」ではなく、「納得できるコスト」に変わっていきます。
まずはあなたの作品を、もっと多くの人に届けるために。
売上だけじゃない“納得できる販売スタイル”を、一緒に探していきましょう!