2024年12月から、BASEでハンドメイド釣り具専門のオンラインショップを運営しています。
「ハンドメイド初心者でも、本当に売れるのか?」
そんな不安を抱えながら始めたネットショップ。
技術もないし、立派な実績があるわけでもない。
だけど“素人なりに立てた作戦”が、意外にも当たりました。
最初の一週間で、どんどんと注文が入り、ほとんどの商品が完売。
気づけば初月で目標の1万円を大きく超える5万円の売り上げ。
「運が良かっただけ」と言われればそれまでですが、自分なりに取り組んでいた“ある準備”が、効果的なアピールになっていたと思います。
この記事では、僕のようなハンドメイド初心者でも「なぜ売れたのか?」その理由を、体験談ベースでお話ししていきます。
これから始める人にとって、小さなヒントになれば嬉しいです。
ネットショップを始める前にやっていたこと
実は、ネットショップを開設する前から、僕は地味に“仕込み”をしていました。
特別なマーケティング知識があったわけじゃありません。でも、「これからルアーを販売したい」という気持ちはずっとあったので、そのためにできることは、少しずつ準備していたんです。
具体的にはこんなことをしていました。
SNSで販売までの過程を発信
「販売開始〇〇日予定」と事前にアナウンスしておき、いざ販売当日にはXとInstagramで写真付きで告知。販売開始直後の盛り上がりを作れたのは大きかったです。
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釣りブログで“ルアーを作る人”という立ち位置を発信
もともと運営していた釣りブログで、「自作ルアーを使った釣行記」や「製作の裏話」などを掲載。

ショップと直接つながる話ではないけれど、「この人はちゃんと釣りをやってる」「試してる」という信用を少しずつ積み重ねられたと思います。
YouTubeで自作ルアーの実釣動画を公開
文章だけでなく、実際に作って釣れるシーンを動画で見せることで説得力が増しました。
編集もテロップも最低限でしたが、派手な演出よりも「リアルな使用感」が伝わるよう意識していました。
この段階で売る気満々だったわけではないんですが、「この人がルアーを作ってる」という認知が、ほんの少しずつ広がっていった実感はありました。
「売る前に、見てもらえる土台を作っておく」それが、のちのスタートダッシュにつながったのかもしれません。
初月で売れた“素人なりの戦略”とは?
ネットショップを開いたのは2024年12月。
ハンドメイド釣り具専門のBASEショップを立ち上げ、最初に並べたルアーは10種類程度。
「どうせ最初は売れないだろう」と思っていたのですが、ふたを開けてみると……初日にいきなり注文が入り、数日で完売。
「なぜ売れたんだろう?」と自分でも驚きましたが、今思えば“素人なりに考えて実行していたこと”が、ちゃんと効いていたんだと思います。
具体的には、こんなことを意識していました。
ショップを開くタイミングをSNSと合わせた
「販売開始〇〇日予定」と事前にアナウンスしておき、いざ販売当日にはXとInstagramで告知。販売開始直後の盛り上がりを作れたのは大きかったです。
商品ページで“言葉”を丁寧に使った
ただスペックを並べるのではなく、「どんなシーンで使えるか」「どんなアクションを狙ったのか」など、自分の言葉で説明しました。自分と同じルアーアングラーの目線に合わせて伝えることを大切にしました。
最初は品数を絞った
種類も在庫も多くはなかったですが、それが逆に売り切れが続出し、「今買わなきゃ」と思ってもらえたのかもしれません。
梱包は「手抜き」ではなく「引き算の工夫」
梱包自体は宅急便コンパクトなので、手間はかかりませんが、包装用の袋にはオリジナルの台紙を入れました。これが唯一の手間です。
ハンドメイド作品は、梱包や包装なども価値の一つと捉える人もいますが、実際に使用するのは中の商品だけなので、自分は購入者様の負担を少しでも減らすために、包装費はできるだけ安くしようと最初から決めていました。
コンビニで袋に入れてもらうと3円とかかかりますよね。それと同じ感覚です。
戦略というより購入者の立場で考えた
戦略といえるほどの大層なものではありませんが、「お金を払って買ってもらう」ために、自分なりに考えて動いていたことが、結果的に売り上げに結びついたのだと思います。
売れた要因を分析してわかった3つのこと
「なぜ自分のルアーが売れたのか?」正直なところ、最初は半信半疑でした。
たまたま見つけてもらえただけかもしれないし、単なるラッキーかも、と。
でも後になって冷静に振り返ってみると、いくつか共通点や“仕掛けていたこと”がちゃんと結果に結びついていたことに気づきました。
とくに強く感じたのは、以下の3つです。
1. SNSは「作品」より「人」を見てる人が多い
自分の作ったルアーの完成度を見てほしい気持ちが強くて、最初は作品の写真ばかり投稿していました。でも、顔が見えないアカウントって、どうしても印象に残りにくい。
なので、「自分はこんな人」という発信を増やしました。
商品が売れるというより「あなたの作ったものが欲しい」と言ってもらえるようになったのは、この変化が大きかったと思っています。
2. 「使ってみた動画」が信頼を生んだ
YouTubeで、ルアーの塗装の様子を公開しました。
そして、自作ルアーを使って実際に釣ったときの動画も公開しました。
これが思いのほか反響が大きかった。
使い方のイメージが伝わるし、「ちゃんと釣れる」ことが視覚的に証明されるので、購入の後押しになったのは間違いありません。
完璧な動画じゃなくてOK。むしろ素人なりのリアルな釣り風景が、信頼感につながったのかもしれません。
3. 売る前から「買いたい人」がいた
SNSとブログでの発信を続けていたおかげで、販売を開始する前から「いつ販売するんですか?」という問い合わせが複数来ていました。
つまり、自分が思っている以上に“販売開始を待っていた人”がいたんです。
ネットショップを作ったタイミングで初動が一気に出たのは、この積み重ねのおかげだと感じています。
売れた理由は「奇跡」ではなく、「地味な準備」の積み重ねだった。
今ならそう思えます。すぐに結果が出なかった投稿や発信も、ちゃんとどこかでつながっていたんですよね。
逆にやらなくてよかったこと・反省点
初月である程度売れたとはいえ、すべてがうまくいったわけではありません。
振り返ってみると、「これはムダだったな…」とか「逆効果だったかも…」と感じたことも、いくつかあります。
せっかくなので、これから始める方の参考になればと思い、あえて正直に書いておきます。
作成に時間がかかるため生産が追いつかなかった
売れたのは嬉しい。でも、すぐに「作る時間が足りない」という壁にぶつかりました。
注文が入るたびに「時間がほしい…」と焦る日々。
これは「売れる前に大量生産しておけばよかった」という話ではなく、“売れたときにどう回すか”をもっと考えておくべきだったという反省です。
趣味でやっていた頃のペースのままじゃ、さばききれない。
今後は「在庫管理」「納期の想定」など、ショップ運営者としての視点も身につけていかなきゃいけないと痛感しました。
カメラの技術が絶望的だった
元々持っていた一眼レフで撮影しましたが、どうもうまく撮れず、iPhoneで撮った方がきれい。
背景を白にしたのが良くないと思い、途中から黒にしてみたけど、全部の商品の撮影をやり直す気力が出ず、ショップ内の商品に統一性がなくなってしまいました。
「釣れるルアーなのに、写真が釣れてない」――これが最大の弱点でした。
正直、写真はもっと工夫できたはず。
“写真=商品の第一印象”ですから、少しの手間で印象が大きく変わると今ではよくわかります。
照明や背景を整えるだけでも全然違う。次回以降、最優先で改善したいポイントです。
SNSをサボった
Instagramの更新、ちょっと気を抜くとすぐに止まってしまうんですよね。
投稿が1週間止まっていると「このショップ、動いてるのかな?」って思われても仕方ない。
最初に勢いをつけるためにやっていたSNSも、いざ注文対応に追われ始めると、後回しになりがち。
「目の前のお客さんを優先する」のは自然な流れだけど、それと並行して“次のお客さん”に向けた発信も止めない努力が必要でした。
“売れた後”こそ、SNSは大事だと反省しています。
これから始める人へ|初心者が意識すべき“最初の一歩”
「売れた理由ってなんだろう?」と振り返ってみると、特別な技術や有名な肩書きがあったわけじゃない自分がうまくスタートできたのは、“準備の方向”を間違えなかったからだと思っています。
うまく見せようとするより、「どんな人が、どんな想いで作ってるのか?」を地道に伝えること。
これに尽きます。
SNSやブログ、YouTube…やり方はなんでもいいんです。
できることを愚直にやっている人は、信頼されます。でも、光が当たらなければ蒔いた種は芽が出ません。そのためのSNSやブログ、YouTubeなんです。
大事なのは、「すでに始めている人」ではなく「まだ始めていない人」より半歩先に立って、発信しておくこと。
売ることだけに意識を向けると、売れなかったときに苦しくなります。
でも、“共感”を集めることができれば、スタート地点は確実に楽になります。
だからこそ、これから始める人に伝えたいのは、
作る前から「発信」を始めておこう。
ということ。
- どんな商品を作るのか?
- どんな釣果が出たのか?
- どんな道具を使ってるのか?
- どんな失敗をしたのか?
――そのすべてが、後に「信頼」になっていきます。
そして、一番大切なことは、買ってもらった人への感謝の気持ちを忘れないこと。
初心者であることは、決してハンデじゃありません。
むしろ、同じように迷っている人にとっては、あなたの等身大の姿こそがいちばん心強い情報になります。
さあ、あなたの“最初の一歩”は、どんな発信から始めますか?