最近、「このままの給料で将来やっていけるのかな…」と不安になることはありませんか?
日本の経済状況は年々厳しさを増し、若い世代だけでなく、老後が近づく40代・50代の人たちの間でも、「将来のお金」に対する不安が大きくなっていると感じます。
本当に、このままの働き方だけで安心して老後を迎えられるのか──
そう考えたとき、やはり必要なのは「収入の柱を増やす」ことだと。
お金の不安を減らす手段はシンプルにいうと、以下の2つしかありません。
- 所得を増やす
- 支出を減らす
でも現実はそう簡単ではなく、今の仕事ではいろいろな能力が求められているのに、それがお給料にきちんと反映されていないというケースも多いですよね。
そんな中で「今の仕事で収入アップを目指す」のは、かなりハードルが高いのが正直なところだと思います。
だからこそ最近は、本業とは別に収入を得る“副業”を始める人が増えているのも納得です。
私もその一人で、副業を通して少しずつ「自分で稼ぐ力」を育ててきました。
副業というと難しそうに感じるかもしれませんが、小さく始めて、少しずつ続けていけば、将来に向けて大きな安心感につながると私は実感しています。
この記事では、そんな私自身の体験をもとに、「副業って気になるけど、不安でなかなか一歩が踏み出せない…」という方に向けて、考え方や始め方のヒントをお伝えしていきます。
筆者の体験談:副業を始めたきっかけと、これまでの実績
私自身、給料が安く、将来に希望が持てない日々の中で、「このままじゃマズい」と強く感じていました。
元々は調理師として、いくつかの職場で働いてきましたが、人間関係や評価の不公平さにも悩み、30代半ばから本格的に「一人でも続けられる副業」を模索するようになりました。
最初に始めた養殖業
最初に手をつけたのが、趣味として続けていたビーシュリンプの飼育・ブリードでした。
これを本格的なブリーダー活動として展開し、2013年~2023年までの約10年間ネット上で販売したり、ブログで情報を発信したりと、少しずつ副収入につなげていきました。
活動の途中、以前から抱えていた耳の持病が悪化し、4年ほど病院通いを余儀なくされる時期もありました。
相変わらず凄い量だ
1㎏以上あるんじゃなかろうか?(笑) pic.twitter.com/j1BlpzP2jk
— 道産子海老「毎日が危険日」 (@northbeefactory) August 29, 2019
しかし、副業で得ていた収入があったことで、医療費の負担を軽減できたのは本当に助かりました。
ただし、生き物の飼育管理には体力や気力が必要です。腰椎分離症という腰の病気を発症してしまった現在は、ブリーダーとしての活動は事実上引退し、趣味として細々と飼育を続けているだけです。
それでも、当時から続けているブログは現在も運営を続けており、少額ながらも安定した広告収入を得られているのが現状です。
この経験から、一度積み上げた情報発信の土台は、「数年後、いや、数十年後でも資産になる」という実感を持っています。
ブログ収益化の過程と、その後の展開
ビーシュリンプのブリーダー活動と並行して始めたブログは、もともと「販売の補助」や「飼育記録の共有」が目的でした。
しかし、次第にアクセスが集まるようになり、広告収入を得ることができるようになりました。
最初のうちは1円や数十円単位の報酬で、「こんなので意味あるのか?」と思ったこともありましたが、続けるうちに毎月数千円になることも。

そして、元々の趣味であった釣りやキャンプなどのアウトドア系のブログを新たに立ち上げて、二つの土台でさらなる収益化を狙い、数千円から多い時には1万円を超える収益を得られるまでに成長しました。
本業とは別に、小さくても安定した収入源が生まれたことで、精神的なゆとりが生まれました。
なにより、ブログは自分の経験を資産化できる場所です。
記事は一度書けば残り続け、アクセスがる限り収益が生まれる。これは体力や時間を使って働くアルバイトなどとは根本的に異なる強みです。
ハンドメイドへの展開:新しい挑戦もブログとつなげて収益に
その後、もう一つの趣味だった釣りとルアー作りを収入減として形にできないかと考えるようになりました。
自分で作ったルアーを使って釣りをする動画をYouTubeにアップしたり、SNSで製作過程を発信したりと、情報発信の土台はすでにブログで培っていたものが活かせました。
そして、ネットショップ(BASE)で、ハンドメイド作品を展開する「WAYA-craft」というブランドで販売をスタート。初月で5万円の売り上げを達成。

ブログでも商品の紹介や製作へのこだわりを発信し、商品に興味を持った人がブログを通じて自分やブランドの背景を知ってくれる、という好循環が生まれました。

現在は、ビーシュリンプのブログは放置しつつも、ハンドメイド販売の発信と組み合わせながら、小規模ながらも複数の収入源を持てるようになっています。
AIや自動化の普及により「生産性のない人間」は淘汰されていく時代に

筆者が子供のころ、駅の改札は駅員さんが切符を切ってくれていました。しかし、今はほぼ全部の駅が自動改札になっています。
自動改札機の導入は数百万円から1千万円と大きな投資になりますが、人件費と比較すれば一年ちょっとでペイできると言われています。
厳しい言い方になりますが、頑張っている人が報われる時代はすでに終わり、生産性の高い人間が特に注目されやすく、「与えられた仕事を淡々とこなすだけ」の指示待ち人間は淘汰されていく時代に突入しています。
どんなにまじめに一生懸命切符を切っても、人間は自動改札機に勝てないのです。
- データ入力
- 単純な文章作成
- 定型業務やマニュアル処理
といった、かつては人間が当たり前のように担っていた仕事が、次々と機械に置き換えられています。
つまり、「その人がいなくても問題ない仕事」は、今後どんどん淘汰されていく可能性が高いということです。
そしてこれは、会社や業界の話ではなく、“個人としての価値”が問われる時代が来ているということでもあります。
生き残るのは「考える人間」か「創る人間」

AIにできない仕事は、基本的にこの2つしかありません。
-
自ら考え、状況に応じて判断し行動する人間
-
ゼロから価値を生み出せる人間(クリエイター、企画、発信者など)
単純作業や指示待ちだけの働き方では、残念ながらどんどん立場が苦しくなっていくでしょう。
だからこそ、今のうちから「自分は何を提供できる人間なのか?」を見つめ直す必要があるのです。
副業は“自分の価値”を磨くための最強の実践の場
副業は、ただお金を稼ぐ手段ではありません。
会社という看板を外した「素の自分」で、どれだけ通用するかを試せる場でもあります。
最初は誰にも見向きされないかもしれません。
でも、自分の知識・経験・好きなことを活かして、他人に価値を提供する訓練を積むことで、AIには真似できない“あなたの強み”が磨かれていくのです。
副業と言っても何をして良いかわからない

2024年度の調べに対して副業経験者の割合は2025年度は微減しているそうで、今後の「副業をしたい」人の割合についても、微減しているそうです。
昇給などで所得が上がったことが原因の人も一定数いますが、「何をしたら良いのかわからない」または「試してみたけど途中で挫折した」人が大半だと思います。
なぜ難しいことを始めようとするのか
日本人のまじめな性格の特徴と言えますが、副業と聞いて、プログラミングや動画編集などといった、知識や資格を身に着けてからでないと始められないと思っている人は多いです。
特にプログラミングなんて今はAIに丸投げできますし、動画編集だって独学でも試しに数本の動画を作ってみれば編集ソフトが扱えるようになります。
副業の「業」という字を難しく考えるのではなく、「普段の日常をお金に変えることはできないか」と考えることが第一歩です。
コンテンツは身の回りにいくらでもある
たとえば、休日に公園に散歩に出かける人。庭で野菜を育てている人。
それをVlog風にアップロードすれば、それは一つのコンテンツとして成り立ちます。
Vlogと言っても、自分の生活の一コマを切り取るだけがVlogだとは限りません。
鳥の声を収録
鳥の声や映像を撮って、YouTubeにアップロードすれば数人の人が見てくれます。
珍しい鳥を探す必要なんてありません。カラスでも良いです。カラスにも個体差があり、鳴き声を比較することで一つのコンテンツができあがります。
野草や野花の紹介
野草や野花の種類を調べて紹介したりするのも良いです。季節によって景色が変わる日本の自然の美しさを発信することも立派なコンテンツです。
写真を販売する
散歩中に撮った空や風景、草花などをスマホで撮影して写真ACなどの共有できるプラットフォームで販売すれば、その写真を使いたい人が買ってくれます。
単価は低いですが、元手がかからないゼロ円でできます。一回限りの販売ではないので、撮り続けていけばいずれはまとまった金額になる可能性もあります。
家庭菜園の記録
庭で育てている野菜を収穫するまでの過程をコンテンツにします。
下手なら下手なりにその道のりがコンテンツになりますし、上手なら参考にしたいと思った視聴者がファンとなってくれるでしょう。
YouTubeの収益化はそんなに簡単じゃない?
そう思っている人は多いと思います。
確かに、YouTubeの収益化には、1,000人の登録者と年間4,000時間の視聴時間がないと収益化の申請はできません。
でもそれは、YouTubeだけに絞った場合の話。
チューンコアクリエイターズという音楽配信サイトで、自身のチャンネルと紐づけて動画内で音源を使えば、その曲の収益の一部をクリエイター(動画配信者)に還元してくれるので、YouTubeのチャンネル登録者がゼロ人でも収益化が可能です。
老後も働き続けられるための準備

うちの両親の話になりますが、定年退職をしたあと、しばらくのあいだ失業給付金を受け取りながら再就職先を探していました。
でも、いざその給付が終わり、「そろそろ働かなくちゃ」となったとき、当然のことながら現実はかなり厳しいものでした。
父は長年タクシードライバーをしていたので、資格といえば二種免許くらい。
年齢のことや持病のことを考えると、今後も運転の仕事を続けるのはちょっと不安があるし、他にできる仕事もそう多くはありません。
正社員で雇ってくれるような企業はまずないでしょうし、たとえ働けたとしても、年齢的にも体力的にも、**周りに気を遣わせてしまったり、迷惑をかけてしまうかもしれない…**という不安があると思います。
「65歳を過ぎても働こう」とよく言われますが、実際には多くの人が働きたくても働けない状態なのが現実です。
たぶん、自分も将来そうなるんだろうな…と感じていますし、もしかしたら、もっと厳しい時代になっているかもしれません。
私は調理師としての経験があるので、年齢を重ねても声をかけてもらえる可能性はあるかもしれません。
でも、だからといって若い人たちの働き口を奪ってまで勤めたいとは思いませんし、体力的にも厳しくなるのは目に見えています。無理をして続けるのも、かえって周りに迷惑をかけてしまいそうで…。
だからこそ今、私は一人でもできる「いくつかの得意なこと」を、必要としてくれる人に届ける手段として、副業に取り組んでいます。
小さなことでも、自分にできることで誰かの役に立てるようになっておけば、将来もし困ったことがあっても、「また自分で稼げばいいや」と思える強さが持てるはず。
それが今の私にとって、いちばんの安心材料になっています。
まとめ:貯金はあとからでもできる。でも“生き方”は今しか選べない

老後のために貯金をすること自体を否定するつもりはまったくありません。
将来に備えてお金を残しておくのは、とても大切なことだと思います。
ただ、それが“目的”になってしまうと、今の生活をずっと我慢し続けるような生き方になってしまうこともあります。
一生懸命働いても、思うように貯金ができないくらいの給料。
それでも「家族のために頑張らなきゃ」と思って、真面目に汗を流して働いている方はたくさんいらっしゃるはずです。
そんな方々の努力を否定するつもりはありませんし、本当に尊敬しています。
ただ、ちょっとだけ視点を変えてみると──
上がる見込みのない給料の中で疲れ切ってしまうより、別の方法で少しでも収入のきっかけを持っておいた方が、心にも身体にも優しいんじゃないかなと、私は感じるのです。
私自身、50代になり、あちこちにガタが出始めています。
「今のうちにちゃんと休まないと、この先もっとしんどくなるな…」と、実感することも増えてきました。
もし今がしんどいなら、定年後はもっと大変かもしれません。

いざ仕事を辞めたあと、「さて、これからどうやって稼ごう…」と思っても、長く同じ環境で働いてきた人ほど、いきなり新しい道を探すのは本当に難しいものです。
だからこそ、現役でいられるうちに、少しずつでも「副業」を通じて自分にできることを見つけておくことが大事だと思っています。
将来の不安に備えるのは、なにもお金をためることだけじゃありません。
「自分の得意なことを、必要としてくれる人に届ける」そんな手段をひとつでも持っておけば、それは大きな安心につながります。
まずは一度、**「自分はこれからどう生きていきたいのか?」**を考えてみる。
それが、これからの長い人生を、少しでも穏やかに、前向きに過ごしていくための第一歩になるはずです。

